「10周年記念式典・記念講演会」を行いました。

 厚木市介護保険事業所連絡協議会は発足から10周年を迎えました。2017年3月24日(金)、厚木市文化会館(小ホール)に於いて「10周年記念式典・記念講演会」を執り行いました。

 第1部「記念式典」開式にあたり、篠原恵美会長からは会発足当時の思い出や松尾前会長の10年間のご尽力と、この式典開催までの実行委員に対する感謝の言葉が述べられました。また、式典に続いて行う「記念講演会」について『村田先生から介護制度についてタイムリーなお話しをお聴きして、地域の介護事業発展や今後の会の運営に役立てていきたい』と抱負を語りました。

 ご来賓の厚木市長の小林常良様からもご挨拶をいただき、『制度が変わっていく中で、人の力や思いやりが介護を支えている』『行政もみなさんとの意見交換や情報共有をしながら、お互いに知恵を出し合って努力していきたい』と介護制度や行政と介護事業所への協力についての想いを話されました。

 

 

 

 

 

 

 

 同じくご来賓の厚木市老人福祉施設連絡協議会会長の服部澄男様からは、お互いの会で協力して「就職相談会」や「風船バレー大会」を開催する中で、前会長の松尾さんのお人柄に触れ、『いつもハッキリ意見を言われるので、最初は怖い方かなと思っていたが、人の話しを親身に聴いてくれる優しい方なのだと最近気づきました』と楽しいエピソードを交え、会場が和やかになるお言葉を頂きました。

 他に厚木市からは福祉部長 野元様、介護保険課課長 安藤様、健康長寿課課長 田中様、更に厚木市議会議員や地域包括支援センターの方々も多数ご列席いただきました。

 

 

 

 

 

 

 引き続き、松尾文夫顧問(前会長)から会の「設立主旨」や「10年間の歩み」についてのお話がありました。2000年の介護保険法施行に伴い、松尾顧問は脱サラして介護事業を始めたそうです。当時を振り返ると、民間の介護事業所には補助金も無く十分な情報も得られない中で、経営や職員研修を行わなければならず、市内の同業種が顔を合わせると「情報交換の場が必要」という機運が徐々に高まってきたそうです。2006年2月から会の設立準備について話し合いを重ね、3ヶ月後の5月15日には30法人(39事業所)が集まり、厚木商工会議所で発足式を行う運びとなりました。その時の様子は神奈川新聞などにも取り上げられたそうです。それ以前は市内に「厚木医療福祉連絡会」は有ったが、病院やケアマネジャーが中心の会だったため、介護分野にとっては十分な活動ではありませんでした。新しく発足した厚木市介護保険事業所連絡協議会では「合同研修」と「連絡調整」を中心に行いました。更に、厚木中央公園で「福祉機器の展示会」を行ったり、厚木市老人福祉施設連絡協議会と協力して厚木市に嘆願し、現在も続く「合同就職相談会」の開催や「厚木市介護職員キャリアアップ支援事業」にも繋がっています。

 松尾顧問は介護制度の変化に伴い、地域包括との連携で忙しく、また経営状況も厳しい中、会の事業や広報を行っている役員さんの努力と、経営者の方々のご理解やご協力に感謝の言葉を述べられました。最後に「現在、会員は41法人(64事業所)に増え、更に事業所同士の連携を深め、会と各事業所の発展に努力していきたい」と宣言して話を締めくくりました。

 

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 第2部は、福祉ジャーナリストの村田幸子先生をお招きして「新たな介護福祉制度を考える」と題し、記念講演会を行いました。村田先生はNHKアナウンサーや解説委員を歴任され、退職後は福祉問題を専門に現在も取材活動を続けている方です。今回の講演会では〜新総合事業の進め方と民間事業所の役割について~というテーマに添って話されました。

 はじめに「なぜ、新総合事業を行うのか?」についての説明があり、その意味や実施する際の問題の解決方法について、地域での具体的な取り組みを紹介していただきました。現在、介護に関わっている専門的な従事者が「共に地域社会で共生していく」ための担い手としての「市民サポーター」育成にも広く目を向けていくことが重要になってくるというお話しでした。

 

 

 

 

 

 

 約90分の講演会を終え、立脇弘行副会長から閉会のご挨拶がありました。「有益な講演会を聴くことができ、私自身は目からウロコでした。制度の改正など介護がこれからどうなっていくのか不安でしたが、学びから一歩踏み出し『プロの市民』が育つきっかけになれば、この講演会は本当の意味で“プレミアムフライデー”と言えるようになるのではないでしょうか」と金曜夜の催しを結びました。

 

 会場には昼間の仕事を終えて駆けつけた事業所スタッフのみなさんを始め、来賓の方々などを含めると100名余の来場者がありました。これからの厚木市の介護を支える活動に活かしていきたい講演内容でした。この記念行事にむけ半年の間、準備を重ねてきた実行委員のみなさん本当にお疲れ様でした。 (藤原)

 

【講演会で紹介された 参考にしたい地域での取り組み 例】
◆岐阜県大垣市「ライフサポーター事業」
訪問介護所と市民が連携して運営している。NPO法人校舎のない学校。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/summary/2014-05/07.html
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2014-05/07.html
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000143350.pdf

◆神奈川県愛川町「特別養護老人ホームミノワホーム」
施設の壁を取り除き花壇やベンチを設置→地域住民とのコミュニケーションが増えた。
http://www.townnews.co.jp/0407/2016/11/04/356176.html
https://www.facebook.com/minowahome/photos/pcb.1346474715365573/1346438405369204/?type=3&theater

◆東京都大田区「みまーも」
地域づくりセミナー受講者を組織化→自分からサービス利用に来られない高齢者を見守る。
http://mima-mo.net/

◆東京都江戸川区「江戸川総合人生大学」
介護福祉学科の修了者が“みまもり隊”を組織して訪問やミニデイサービス行う。
https://www.sougou-jinsei-daigaku.net/
http://www.sougou-jinsei-daigaku.net/hiroba/mypage.php?typeID=64