令和元年度「厚木市役所介護福祉課との意見交換会」の報告

令和元年10月23日(水)、毎年開催している「厚木市役所介護福祉課との意見交換会」をアミューあつぎで行いました。お忙しい中、厚木市からは12名の職員の方にご出席をいただき、事前にお願いした質疑への回答のご説明や意見の交換を行いました。

(18:30開会)司会進行:ひかりデイサービス 齋藤

開会のご挨拶(松尾顧問)
再来年4月には介護保険法が第8期を迎えます。制度の変更によって要介護1・2が要支援と同じような扱いになり、ケアプラン作成の自己負担が増えるなど、利用者さんにとっては使いづらく大変厳しい状況があります。そういった国の考え方とは別に、日頃事業所を運営する上での身近な問題について、市役所のみなさんと意見交換したいと思います。この連絡協議会も13年目を迎え、これまで厚木市役所との意見交換会の中でも一番多い職員さんのご出席をいただきましたので、有意義な時間になることを願いまして、ご挨拶とさせていただきます。

厚木市介護福祉課 課長 武藤様より ご挨拶
本日は意見交換会をご開催頂き、誠にありがとうございます。日頃から皆様におかれましては本市の取り組んでいる「地域包括ケア社会の実現」に向け、ご理解・ご協力賜り、さらに介護保険サービスの充実や介護職員の処遇改善にお取り組みいただき、この場をお借りしてお礼申し上げます。本日は事前にご意見、ご質問を頂いておりますので、用意した資料を元に説明し、意見の交換をさせていただければと思います。ご参加いただいたみなさんと厚木介護保険連絡協議会のますますのご発展を祈念してご挨拶とさせていただきます。

【ご出席頂いた厚木市介護福祉課  職員のご紹介】
課 長                              武藤様
地域包括ケア推進担当課長 大野様
地域包括ケア推進担当       大貫様
介護認定係                      永井様
介護給付係                      北島様
介護給付係                      小澤様
高齢者支援係                   小森様
高齢者支援係                   逸見様
介護保険料係                   高橋様
高齢者ふれあい係長          宮澤様
障がい福祉課長                添田様
障がい者支援第二係          麻生様

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《司会》
最初にアンケート結果について「厚木市からのご回答」を確認いただき、回答についての質疑応答を行います。その後、厚木市からの連絡事項とその他の質疑応答を行います。

【厚木市の回答書に対する質問と答え】
(事業所の質問・・・・・●  厚木市の答え・・・・・■)

《JAあつぎ すずしろ》
●訪問介護H事業所⑫回答「総合事業のその後について」シルバー人材センターへの依頼で、利用の度合いや派遣の件数、どれくらいの方が利用されているか実際の数を教えてください。

■シルバー人材センターへの委託については、利用者は「要支援1」の方と「事業対象者基本チェックリスト」の方が半々ぐらいの割合です。月の件数は12〜13件になります。研修がプロに比べて少ないので、同じレベルのサービス提供というまでは難しく、信頼性については課題が残っています。森の里地域については、地域福祉で既存で行っていたものを同じ対象者で行っているので、介護保険のサービスでは草むしりやペットの散歩など対応できないことがあり、住民の方から使いづらいというご意見もあります。訪問型は10件いかないくらい、通所型Bについては1件あるかどうかといったくらいです。

《JAあつぎ すずしろ》
●シルバー人材センターのサービス提供する方の人数はどれくらいでしょう。

■登録が有るのは30〜40名ですが、1人の方に同じ方が繰り返し行っているというのが現状です。

《介護支援センター なごみ》
●訪問介護A①「事業者の経営判断により進出される」・訪問介護F⑩「事業者の経営判断を尊重」・訪問介護H事業所⑫「今後は国の動向を注視しながら」と回答されています。昨年の4月11日、財政制度審議会から出された資料「在宅サービスについての保険者等の関与のあり方(厚生省HPより)」に追加された事項には、国からは自治体がサービスの供給量を積極的にコントロールできるように「指定拒否(総量規制)」や「公募性による指定」を導入するなど「検討の必要がある」とあります。現在厚木市は、事業所の定員と稼働日数などから考えるとサービス供給量が2倍以上になっています。このままでは職員不足やサービスの質の低下につながります。これらを踏まえて「経営の判断による」というだけではなく、具体的に一歩踏み出したお話しが必要なのではないでしょうか。

■総量規制については施設系で計画の中で規制されていくのはご存知のとおりです。現時点での法令では保険者は基本的に指定拒否できないという立場があります。実績が計画の数を超えて給付費が足らなくなる恐れがある場合には検討しなければなりません。その他の条件も踏まえて判断するので、給付費が超えたからといってすぐに指定拒否するのは難しい状況があります。来年度以降は認定者数や制度の改正、総合事業の受け入れなども考えて計画していかなければなりません。

《介護支援センター なごみ》
●利用者が予算の中で収まっていれば問題ないので指定拒否できない。それぞれの事業者の経営判断になるという理解でよろしいでしょうか。

■基本的にはそうなります。申請があった際に、厳しい現状をご説明した上で「やります」という場合に、現状では法令上指定拒否はできません。

《介護支援センター なごみ》
●サービス提供者の不足については事業所数が多すぎるためで、そのために閉鎖するところがあることも厚木市には踏まえてほしいと思います。

《JAあつぎ すずしろ》
●訪問介護F事業所⑨「包括支援センターの質の向上」について、生活援助の依頼があって実際に行ってみると、掃除などができる家族でがいらっしゃる場合があります。「身体介護」を中心に受けないと経営的に厳しい実状があります。このような場合は地域包括の判断で止めてもらいたので、来年度以降の研修会に中で取り上げていただきたいです。

■毎月、包括支援センターの連絡会議が有るので、その中で提起したいと思います。

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《司会》
市役所からの連絡事項をお願いします。

《介護福祉課長 武藤様》
介護職員の処遇改善については4月にチラシを配りました。昨年度から介護職員人材確保に関して「介護職転入奨励助成金」「介護職復職等奨励助成金」「厚木市介護福祉士等奨学金返済助成金」の支援策を行っています。引き続き、みなさまからのご指導とご協力をお願いします。

《地域包括ケア推進担当課長 大野様》
来月、11月22日(いい夫婦の日)に文化会館の大ホールで「地域包括ケア市民講演会」を開催します。まだ席に余裕がありますので、ご利用者様などにお声がけください。
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《司会》
その他について意見交換会を始めます。

《デイ・サービス モック》
●まるごと福祉の就職相談会についてお聞きします。当初は大勢の人が来ていたが、最近は来場者数が100名前後になってきている。今後の人材確保については就職相談会を継続していくのか、それ以外の新しい計画があるのかお聞きしたい。

■就職相談会と研修費の助成については一定の需要があって、それなりに効果が出ているため、継続していきたいと考えています。

《ふたばらいふ》
●厚木市から多くのアンケートがあり回答しているが、その後フィードバックがなく、集計などしているなら公開していただきたいです。また、研修費の内訳なども知りたいです。

■フィードバックが無いのは良くないので、今後メールなどでお知らせします。研修費については決算を公開しているので、内容はお知らせできます。

《ふたばらいふ》
●研修費についてテキスト代は認められているが、交通費は含まれないですか。

■交通費は難しいですが、研修に必要な場合テキスト代であれば認めています。ただし、講師の方の書籍とかは含みません。開催要項やレポートで講習に必要な資料というのがわかれば認めています。

《まごの手介護サービス》
●厚木市では障がいの方が夏だけ週に2回入浴ができるようになっているが、近隣の伊勢原市、海老名市などでは夏以外も週に2回、お風呂に入れるようになってきている。予算のこともあると思うが、毎日お風呂に入ることを基本として検討していただけないでしょうか。

■障がい福祉に関するサービスは多岐にわたったいて、介護保険との大きな違いは原則1割負担だが、収入によっては障がい福祉は負担が無い場合も有る。今後、総合的に検討していきたい。

《のぞみデイ荻野》
●現在、外国人で日本語ができない利用者さんが来ていて、翻訳機を利用者さんの家族に購入していただいて対応しています。今後は外国人が増えていく可能性があります。事業者で翻訳機などを購入をする場合に助成などの支援を検討していただけないでしょうか。

■現状で補助はありません。外国人に対応できることは事業所の特色になると思うので、今後は事業所でどう考えるか検討していただければと思います。

《ひかりデイサービス》
●先日の台風について、災害についての対応を相談し、共有しておくほうが良いと思います。デイサービスはお休みにしてしまうと、利用者さんは避難できずに自宅に居ることになります。利用者さんから担当のケアマネジャーに電話でご相談が有り、家族もいない方だったので、他に方法がなく会社の車で避難所に送っていきました。帰りについてはタクシーで帰宅してもらいました。また、精神疾患の方で奥様が車椅子方からもお問いあわせがありました。民生委員の方が動いてくれて、公民館に問い合わせると車いす用の設備がないということで受け入れを断られました。結局自宅で待機していただくことになりました。緊急時に特養に直接聞いていいかわからなったので、緊急時の対応について教えていただけたらと思います。

■公民館の対応については、申し訳ないと申し上げるしかありません。要支援者から問い合わせがあった際には市役所の高齢者福祉課か障害福祉課から、受け入れ可能な施設を調整してご紹介することになっています。特養や老健施設25箇所のと協定を結んでいます。施設に行く際には症状を確認させていただくため、要支援者のご家族や介助者との方と一緒に行っていただくことになっています。公民館の職員には災害時の対応について説明してありますが、覚えていない職員が出てしまったのかもしれません。先日の公民館職員の係長会議では再度説明しております。事前配備がかかっている間は配備が解除になるまで曜日や、時間に関係なく常時待機して対応にあたっておりますので、今後はよろしくお願いいたします。

市の携帯SOSというメーリングリストに登録してある方には、避難情報が送信されます。送信される前から市の職員は待機していますので、施設の管理者の方には登録しておいて頂けると危機管理からの地区限定情報も送信されるので良いと思います。

地震の際には配備が事後になりますが、必ず職員が部署ごとに職員が対応することになっています。ハザードレベルに関係なく、公民館に避難所が開設された際には危険ということなので、移動していただくことが良いと思います。公民館で一緒に生活できない要支援者の方は市にご連絡いただいて調整し、受け入れ可能な施設で必ず対応させていただきます。 避難指示が出た際には高齢者の方などは天候が悪化する前に移動していただきたいと思います。

《介護支援センター なごみ》
●単身の方が避難する際にはご家族や介助者と一緒に行くというのが難しいことがあります。

■状況が把握できれば受け入れて頂くことは出来ますが、全く症状や状況がわからないと施設でどう対応してよいかわからないので迷ってしまうことが考えられます。わかっている方からご連絡いただければ、施設と調整して受け入れることができると考えています。

《ひかりデイサービス》
●避難先の状況に不安を感じて、怖かったけど避難されなかった高齢者の方は多かったと思います。デイサービスなどが休みになっていれば避難所に職員を送り出すことができます。協定を結んで予算をとって頂けるなら、各避難所に介護がわかる管理者級の人間を緊急時の非常勤職員として出したりすることも考えられると思います。

■一号配備がかかっている時には包括支援センターの事務所にも必ず職員が待機していますので、窓口は広く整えていると考えています。

《ひかりデイサービス》
●総合事業のお客さんを数多くとっています。たくさん受け入れたいというわけではなく、他に受け入れるところが無いためにうちの事業所に来ていて、定員的に受け入れられない状況になっています。経営的には要介護の方を多く取りたいのですが、行き場がなくなってしまうので努力して受け入れています。市には受け入れている事業所のフォローや他の通所介護にも積極的に受け入れるよう働きかけてほしいと思います。 また、9月29日に海老名市からに「通所介護の要支援2と週1回の方は半額になります」と突然メールで連絡がありました。清川村、愛川町、海老名市など隣接する市町村で対応が違ってきており、境界の利用者さんが困惑している状況があります。厚木市として近隣の市町村と話し合うということはできないのでしょうか。

■申し訳ないですが他市にこちらから働きかけることは難しく、どうしてそう判断したのかもわからないです。 総合事業の受け入れに関しては、今後協議していきたいと思います。

《介護支援センター なごみ》
●私どもでは総合事業の受けいれる人数を決めています。要介護1・2まで総合事業になったら、介護難民が増えていくと思います。費用的に厳しいため受けいることが難しきなっています。地域密着ということで、午前と午後に分けて受け入れてやっと採算をとっても、職員は休み時間を削り、昼ごはんも車の中で食べて対応するような状況です。厚木市でも早急に総合事業の対応について検討していただきたいと思います。

■そのことに関してもご意見を踏まえて協議していきたいと思います。

《ひかりデイサービス》
●愛川町、海老名市のように厚木市も要支援の方の週1回を半額にする予定はありますか。

■厚木市では国の規定を基準に考えています。事業所に厳しい状況もお聞きしていますが、国の基準を超えての改善は出来ません。回数ばらい利用者の負担が少ない方でというご意見もいただきますが、今現在は現状を維持し単価の改訂は考えていません。単価を改定する時にはみなさんに周知させていただきます。

《ケアサポートツマダ》
●先日、虐待ではないかという件を地域包括支援センターにご相談しました。その後の報告では夫婦喧嘩と認識したということでした。家族間では虐待と感じていることを、どういった基準でそう判断されたのでしょうか。

■地域包括支援センターから連絡があった時には地区のケースワーカーと私たちが同行して状況を把握します。ご本人から聴き取りをして、どういった報告があがるかによって「経過観察」「虐待案件」「夫婦喧嘩」などの判断しています。

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閉会のご挨拶(来住事務局長)
本日は厚木市役所の皆様、どうもありがとうございました。いろいろな意見や質問に真摯にお答えいただき、災害の際には一日中待機して頂いていることなど日頃のご尽力頂いていることを知る、貴重な機会となりました。私たち協議会の参加者が少なく反省しておりますが、ホームページに報告をあげさせていただき、お聞きした内容を会員に伝えたいと思います。今後とも宜しくお願いいたします。