介護職員研修「目配り・気配り・心配りを学べるホスピタリティーマインド研修」の報告

平成30年8月23日(木)、昨年度好評だった「接遇研修」の講師、蜂谷英津子先生をお招きして〜ワンランク上の介護サービスを提供するために〜「ホスピタリティーマインドを学ぶ」と題した研修会を開催しました。会場の“アミューあつぎ”には会員施設から43名の介護スタッフが集まり、グループワークを交えた研修に参加しました。

 

篠原会長よりごあいさつ

「本日は午前中から厚木市の集団指導があり、みなさんお忙しい中をお集まりいただいたので、良い研修内容をそれぞれの事業所に持ち帰って、役立てていただきたいと思います。」と挨拶があり、早速研修が始まりました。

●なぜ、今ホスピタリティが求められているのか?

はじめに、自分に合った物や好きな物を持つことで満足を感じていた時代から、現代は「物そのもの」ではなく、そこから生まれる「快適さや心理的な充足感」を求めるように移行してきていると蜂谷英津子先生からご説明がありました。そういった価値観をもった利用者さんに満足してもらうサービス提供が必要になってきているそうです。

 

1.ホスピタリティー(Hospitality)とは

相手への「思いやり・やさしさ・歓待」相手の立場に立った言動が重要になります。相手を尊重して、相手に愛情を持ち相手のために心を配り真心を尽くすのが、ホスピタリティの精神です。先生の説明の後、グループワークでは「今までに嬉しかったサービス受けた経験」などを話し合い、各グループごとに発表しながら進んでいきました。レストランで受けたサービスやディズニーランドなどを例に、「嬉しい」と感じた場合には何度も利用したくなるので、リピーターにつながるというご説明がありました。介護サービスでもいつまでも使いたいと思ってもらえるように、「大切にされている感じ」「期待した以上のサービス」「驚きがあること」が重要だということでした。また、お客様の心をつかむには、相手を1人の「個人」としてとらえ尊敬し、ぬくもりを感じさせる対応で 相手の望んだサービスを提供し信頼を得るというお話もありました。

 

 

 

 

 

2.ホスピタリティの3つのステップ

次に①「目配り」:観察力を磨き相手に関心を持つ→②「心配り」:想像力をもって相手の気持ちを理解する→③「気配り」:言葉づかいは心づかいにつながる、相手が喜ぶ表現力を身につける、という3つのステップを写真の中から図像を探すゲームやグループワークなどを通じて理解していきました。

 

 

 

 

 

3.ホスピタリティーワーク

「目配り」を磨く・「目配り」から「心配り」につなげる・「心配り」から「気配り」につなげるというそれぞれのワークでは各グループから笑い声も聞こえ、楽しく研修が進んでいきました。一人では考えつかないようなことも、他の人の意見を聴いたり、先生のアドバイスがきっかけとなって多くの発見があったようです。 二人一組になって相手の好きなものを当てるワークでは「目配り」を磨き、介護の仕事では目で見えるものだけではなく、五感から第六感まで全てを使って感じとることや、人それぞれに視点が違うので、複数の目で観察したことを意見交換し、連絡ノートなどで共有することが大切であることも改めて認識しました。 「自分の願いを受け入れて欲しい時にどのように伝えるか」というワークでは、相手の立場になって意見を受け入れたり、丁寧に説明することや時には代案を用意することなど、普段の業務の中にすぐに活かせそうな意見やヒントがたくさんありました。

 

 

 

 

 

●まとめ

この2時間の研修では、ホスピタリティーのあるサービスを提供することが利用者さんの満足度を上げ、リピーターにつながることを学びました。濃い内容の研修会でしたが、始めて顔を合わせる参加者同士も和やかに意見交換できる雰囲気をつくる蜂谷先生の進め方にもホスピタリティーマインドを感じました。

最後に副会長の岡島さんは「この研修で得た内容をそれぞれの施設に持ち帰って、サービス提供の中でに活かしていってほしい」と研修会を締めくくりました。

 

【蜂谷英津子 先生 のプロフィール】

HOTシステム株式会社 代表取締役

介護人材育成コンサルタント

著作:「介護職が知っておきたい接遇マナーのきほん」   日本実業出版社 など

《略歴》 スイスの貿易会社の日本代表、大手デパートや外資系ホテルのVIPゲストの接客やコンサルティング経て、介護事業所を全国に展開する企業で介護職の人材育成に従事。介護職向けの各種講座の講師や新規事業所開設前時の利用者対応のOJTを担当。2010年にHOTシステムを設立。介護職のための接遇マナーやホスピタリティ、コミュニケーション、クレーム対応、外国人介護職員研修、事業所でマナーを指導するマナーリーダー養成講座、社会人のための介護セミナーなど、多くの公益法人や福祉事業者、大手企業にて研修や講演の講師を務めている。また、介護事業所の接遇マナーマニュアルの作成やホスピタリティマナースクールの運営、介護職向けの書籍や雑誌記事の執筆・監修も数多く行っている。介護職のための研修は、研修内容や事例が介護現場に即しており「分かり易くて現場ですぐに実践できる!」と定評がある。

(HOTシステム株式会社ホームページより)

https://www.hotsysytem.com/