去る2018年1月19日(金)、あつぎ商工会議所で賀詞交換会が開催されました。
はじめに篠原恵美会長より新年のご挨拶がありました。昨年「10周年記念記念式典」を終え、今年は新たなスタートの年であり、4月に始まる地域包括システムへの対応など、事業所の垣根を超えたこの会の意義についても強く感じていると話されました。また、今年の干支が「戌(いぬ)」であることから、「皆様にとってワンダフルな一年になりますよう、ご祈念申し上げます。」と結ばれました。
続いて、厚木市長の代理としてご来賓くださった副市長 松本徳彦様にご挨拶いただきました。「介護保険の制度が施行されてから18年目。現在でも高齢者は増え続けていますが、団塊の世代が75歳になる2025年には更に多くの方が対象となります。経験したことのない超高齢社会に対応することは難しいですが、高齢者が地域の中で自分らしく、安心して過ごせるシステムをみなさんと協力してつくっていきたい」とお話しいただきました。同じく厚木市からご来賓いただいた、福祉部 野元部長様、介護福祉課 安藤課長様、田中課長様をご紹介させていただきました。その後、顧問の松尾様から「介護予防・日常生活支援総合事業」の懇談会についてお話しがあり、「乾杯」のご発声によって和やかな宴が始まりました。
お料理をいただきながらしばらく歓談した後、第2部では今年度に新しく入会された「メディケアセンター厚木」の佐藤様からご挨拶がありました。続いて「コミュニティーハウスあゆらす」の金子様より、新職員の島崎様のご紹介があり、「暮らしの保険室」の地域の事業所を横に繋いでゆく取り組みについてお話しされました。その後、ふたばらいふの岡島様、まごの手介護の渡辺様、SCプランニングの篠原様・丸山様・井上様、ひかりデイサービス妻田の高橋様、デイサービスなごみの栗城様のスピーチがありました。
引き続き、毎年恒例となったジャンケン大会を行いました。各自に配られた100円玉を勝った人が総取りするというルールで、最終的にケアサポート妻田の細谷さんが優勝されました。おめでとうございます!
第2部の最後に平成26年7月の津久井やまゆり園の殺傷事件を受けて、施設の再生構想策定部会の委員をされていた神奈川工科大学 小川喜道教授(本会顧問)様から「これからの福祉事業のあるべき姿勢について」お話し頂きました。同事件では入所者の19人が亡くなられ、26人の利用者・職員が重軽傷を負い社会に衝撃を与えました。この再生事業については関心が高く、部会での検討の経緯や内容が神奈川県のホームページにも公開されています。
【神奈川県のホームページへリンク】津久井やまゆり園の再生に向けた取組み
小川教授は津久井やまゆり園再生基本構想の策定にあたって「福祉」の原点に立ち返り「すべての人は存在する価値がある」というキーワードを掲げ、「どんなに重い障害があってもその人なりの感じ方が有り、家族との心の通い合いや、ひとに影響を与える相互作用が有る。つまり、何者かによって消し去られるようなことがあってはならない」ということを強調されていらっしゃいました。
また、再生の基本構想については「帰る」ことを本筋として捉え、利用者の一人ひとりが自分の「住まい」と感じられるような生活の場を提供すること。そして、本人が意思決定できるように支援をしてゆくことに重点を置いて検討を繰り返したということでした。障がい者の意思決定に関してはイギリスに有る法律“メンタルキャパシティーアクト”の三つの原則《(1)意思決定の能力を欠いていると決めつけない。(2)本人に依る意思決定がうまくいかない場合、本当に望んでいることを引き出す努力をする。(3)本人が意思決定できない場合にも最善の利益を配慮する。》をガイドラインにしたということでした。高齢者施設においても津久井やまゆり園で起きたことを忘れずに、その方の生きてこられた経緯を尊重することなど、身近な方々の支援に活かしていってほしいとまとめられました。小川先生にはめったに聞けない貴重なお話しをいただき、ありがとうございました。
最後に金子副会長から「現在は総合事業への移行に不安もあるが、今日の集まりのように地域の顔をつないてゆく活動が問題を解決するための“新しい考え”を身につける大切な機会になっている。今年も一年よろしくお願いします。」と閉会のご挨拶があり、賀詞交換会は盛況のうちに終了しました。(藤原)