研修部の岡島です。先日行われ平成26年介護職員研修についてご報告します。
日時:平成26年10月23日(木)18:30~21:00
場所:厚木市文化会館 集会室
内容:緊急時の対応~119番通報の判断と救急車到着まで~
講師:森 義信 氏
(レポート)
今回の研修テーマは、緊急時の対応です。ご高齢、傷病や障がいをお持ちの利用者様と接する介護職員の私たちにとって、
利用者様の緊急時、急変時に居合わせた時の対応を学び・体験することで、万一の際に役立てたい目的でした。
参加者数は60名を超えました。日頃より、介護職として、関心や不安等があったことの表れなのかもしれません。
講師は、長年、厚木市消防本部に勤め、救急隊長として、数々の現場最前線を経験してきた救急救命士である、
森義信先生(株式会社ふたばらいふ代表取締役)。そして、サポートとして、
救急救命士養成校である湘央学園講師のお二方のご協力のもと、
実演を交えた講義や、シミュレーション、質疑応答という構成でした。
【講義】
まずは、救急車や救急事情の歴史や基本的な知識とともに、バイスタンダーという言葉や意味の解説がありました。
意外と知られていない情報もあり、「へぇ~」という声もちらほら。
※バイスタンダーとは、傷病者の緊急時、急変時に現場に居合わせた人のことです。
続いて、状態に合わせた体位管理を、図と実演を交えて学びました。その後、様々な疾患、
症状、障がいについての理解を深める講義や119番通報のポイントを学びました。
なぜ、その対応であるのか、という解説も入り、受講者の皆さんも真剣に耳をかたむけ、うなずいていました。
▲森先生の講義。みなさん熱心にメモをとっています。
【シミュレーション】
その後、講義を踏まえて、受講者の方にも数例、緊急事態発生から、
観察、119番通報、救急車が到着するまでの対応シミュレーションに参加いただきました。
緊急時には、冷静な判断や行動を起こせることが理想ですが、実際に体験してみると、
なかなかそうもいかないのが現実。観察に夢中で119番するの忘れてる!なんてことも。頭でわかっていても、
いざ体験してみると、落ち着いた対応の難しさを改めて感じます。
▲車いすに座っている方の対応もシミュレーションに組まれていました。
▼心臓マッサージをより有効に行える指導を受けて実践
また、有効な心肺蘇生法についての説明や指導がありました。
心肺蘇生法は、1度受けたから十分、ということはなく、
医学の進歩や新たな見解などにより、ガイドラインがしばしば見直されるとのことで、
より有効な手順や回数などが変わることがあるそうです。
(現在は、2010年に改訂されたガイドラインによるものです。)
講師陣によるBLS(BasicLifeSaportの略で、一時救命処置のこと)展示で一連の流れを確認。傷病者発見から、
観察、119番通報、AEDを用いた心肺蘇生を、実際に見て学びました。
最後に、講習を踏まえ、質問コーナーもありました。ヘルパーならではの、実際の体験から、
あの時、この対応でよかったのか、どうすればよかったのか等の質問がありました。
【受講を終えて】
緊急時対応は、私たち介護職にとって重要であることは当然のことです。
しかし、それと同時に、「予防する」ことも重要であることを学びました。
日頃から利用者様と向き合い、観察や気づきを行うことが大切だと。
そして、いざというときには、バイスタンダーとして、適切な対応ができるよう、日頃より、
心構えや備えを整えたいものです。定期的に、こういった講習に参加することも必要であると感じました。