平成30年6月13日(水) 広報部の活動として「厚木市役所介護福祉課との意見交換会」を開催しました。 会場となったアミューあつぎ(6階)には厚木市より6名の職員方にご出席をいただきました。当会員の21事業所からは30名の参加者が集まり、質問や意見の交換を行いました。
(18:30開会)司会進行:相模ゴム工業 児玉・ひかりデイサービス 高橋
開会のごあいさつ(松尾顧問)
本日は厚木市の職員の皆様にお忙しい中お集まり頂き、また日頃は 我々の事業に多大なご支援を頂き、重ねてお礼を申し上げます。年に1回、広報部の主催による意見交換会で、直接関わることの多い 介護福祉課の方々を中心に意見を伺える貴重な機会ですので、短い 時間ですが有意義な時間となりますよう、よろしくお願いいたします。 厚木市介護福祉課 課長 武藤様より ごあいさつ 本日は意見交換会にお招き頂き、本当にありがとうございます。 また、皆様におかれましては日頃から本市の取り組んでいる「地域包括ケア社会の実現」に向け、ご理解・ご協力賜り、この場をお借りしてお礼申し上げます。
課 長 武藤様
介護給付係長 小澤様
介護給付係 北島様
高齢者支援担当課長 石塚様
高齢者ふれあい係長 岩崎様
高齢者ふれあい係 逸見様
————————————————————————————————————
第1部 【各事業所からの質問と厚木市の答え】
(事業所の質問・・・・・● 厚木市の答え・・・・・■)
《楓の風 あつぎ》
●訪問看護ステーションに対して厚木市が期待していること、また現時点で不十分だと感じていることや他の機関との連携などでうまくいっていることがあれば幅広くお聞きしたい。
■看護師が不足していることもあり、人材確保が難しく参入している事業者が少ないと考えている。国としては「施設から在宅へ」という方向転換の中で、医療依存度の高い在宅の高齢者が増えてくる事が考えられる。ヘルパーさんが対応できない部分を支えていただいているという面から、既存の事業所には引き続き活躍していただきたいと期待している。
●「事故発生時の報告」を出しているが、現状では厚木市から内容についてのフィードバックがないため、対応に迷いが生じたり、事故防止対策などに役立てることができていない。また、事故の未然防止のために資料として報告書の集計データなどについて内容を開示してもらうことはできないか。
■はじめに、この6月1日より報告書の様式が若干変わっています。厚木市のホームページ等でご確認いただけることをお知らせします。 事故発生時の報告は医療機関にかかった場合には必ず提出となるが、それ以外はケースバイケースでご判断いただきたい。報告対象内容でなくても、ご家族とトラブルとなりそうな場合は提出していただければと思います。 統計データの公開についてはなにかの機会にご報告して活用していただきたいので、持ち帰って検討します。
《ふらっとケアサービス》
●5月の更新手続きの際に県からは指定になったと連絡があったが厚木市からは指定の連絡がなく、6月になってコード番号について厚木市に問い合わせた際にはA-1と聞いていたが、包括の方からはコードが違うと指摘された。今後は厚木としては指定などについてどういう形でお知らせいただけるのか、教えてほしい。
■この度の切り替えに関して、皆様にはご迷惑をおかけしましたことを率直にお詫びいたします。3月まで高齢者支援係で行っていた切り替え業務について4月から高齢者ふれあい係で行うことになり、連携がうまくいかず一部に混乱が有りました。今後はこのようなことが無いよう切り替えに関しては密に連絡を取ることで、事務手続きに支障が無いようしていきます。お気づきのことがあればお知らせいただければ改善していきます。
《セキト介護ステーション》
●利用者さんから福祉用具に関して「年寄り臭くて使いたくない」という意見がよくあり、元気なうちから福祉用具についての理解を深めて頂くために、触れる機会をつくっていただけないか。
■事業所の状況によるが、担当者さんにご協力いただいて施設や包括に置いて見ていただいたり、相談に来られた方に試していただけることは個人的にはよいと思います。
《株式会社 ふたばらいふ》
●災害時に自治体から期待されることがあるなら、それを話し合う場があると良いと考えています。 虐待が疑われるケースがあった際に、なかなか解決に向かわなかったことがあり、厚木市としてそういった報告があった際にどう取り組んでいるのか知りたい。
■市役所の中にいると現場が見えないというのが正直なところです。まず、虐待の疑いがある場合には、声をあげて頂くことをお願いします。皆様から声をあげていただければ、こちらでケースワーカーや地域包括センター、ご家庭等と調整して場合によってはご本人を保護したり、家族分離という対処をとることもできます。しかし、一度保護して家族と引き離してしまうと元に戻すことが難しくなるため、慎重に行わなければならないということがあります。その方が今後どうしていきたいかをふまえて、ケースバイケースで対応していくということになります。
《ケアマネのぞみ》
●地域包括支援センターが出来てからは地域包括経由で割り振りされることがほとんどになり、ケアマネに直接相談がくることが少なくなった。一時は40件近く受け持っていたが最近は少なくなっている。地域包括でケアマネに割り振る際に市の基準があるのかお聞きしたい。基準が無いのであれば、偏りがないように振り分けていただきたい。 また、地域包括から一方的に利用者さんが「あの人が嫌だ」と言っているということで、担当を変更されることがあったが、ご本人は「そんなこと言っていない」というので、詳細な説明をしていただきたい。
■市では基準というのは設けていないので、特定の事業所に偏りがないように割り振りするようにお願いしている。ケアマネ変更について、個別の事例についてはわからないが、当事者間で誤解がないように調整いただくように、包括の会議で話をしておきます。
《デイサービスさくら》
●地域のコーディネーターやボランティアさんがどこに居るのかがわからない。一覧表にしてポスター掲示などで、情報発信を行ってほしい。
■現在、地域包括の推進担当によって情報収集をしている最中です。一覧表やポスターなどにするかどうかは決まっていないが、情報を提供できるように検討していきたいので、少しお待ちください。
《株式会社ミュー》
●地域密着型のデイサービスを運営しています。A-5とA-6の事業所が混在しているので、その通り申請したが、厚木市の手違いにより落ちてしまったということがありました。落ちてしまうと経営的に厳しい面も有るので、審査内容についてホームページなどで公開していただくということは出来ないでしょうか。 また、処遇改善金についての報告はそれぞれの市町村にしなければならないが、厚木市に指定を受けている事業所は厚木市に報告すれば、他の市町村と連携して頂き、事務手続きを軽減してもらうことはできないか。
■コードについては大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。現状では過去の処理についても正確な情報を把握できていないのが正直なところです。正確な情報を把握でき次第、文書やホームページなどでの公開についても考えていきますので、検討させて頂くお時間を頂きたい。
■処遇改善金の報告は現状の制度では業者が報告することになっており、市町村間で連携を取る制度ではないため、今後の検討によっては変更になることもあるかもしれないが、しばらくはこれまで通りお願いします。
《ワーカーズ・コレクティブさち》
●10月から始まるヘルパーの50時間の研修について、厚木市ではどのように募集して始めるのかなど、教えてほしい。現在、シルバー人材センターへの登録を各公民館だよりで募集されているようだが、登録した方々が教育機関でそのまま研修を受けられるのかお聞きしたい。また、そういった方々が研修をうけて各施設で働く場合に、従来のヘルパー2級の方たちと時給の差をつけることは難しいと思うので、実際には入ってもらうことが難しいと思うので、今後どの様になっていくのかお聞きしたい。
■厚木市では4月から基準緩和型の訪問サービスAということで、シルバー人材センターへ委託をして行っているが、50時間の研修を受けて、ヘルパーと同じ業務をできるとは考えづらい。神奈川県で作成したマニュアルはあるが、「身体」など命に関わる業務につくことは特に難しいと思う。研修を受けた方がヘルパーと同じように働きたいという方がどれくらい居るかもわからないので、いきなり厚木市でこうしてくださいということはせず、皆さんの意見を聞きながら調整したいと考えています。
《JAあつぎ すずしろ》
●この4月の段階でも総合支援について問い合わせが多くあり、4割近くが予防の方を受けている現状です。仮に、生活援助の方を全てシルバー人材の方に移行するとなると事業所は成り立たなくなるので、厚木市で生活援助の方などについて方針を決定する場合には、なるべく早い段階で情報をいただけるようにお願いします。
■おっしゃられることはごもっともで、ご意見を参考にして今後詰めてまいります。
《(有)ぱすてる》
●求人広告で人材募集をしてもなかなか人材確保が難しい状況で、派遣会社にお願いしても当日その人が来なかったり、途中で帰ってしまったりすることがある。グループホームではユニットを1階・2階のフロアで2つに分けているが、現在の基準ではそれぞれのユニットの業務を管理者やスタッフが兼ねて行うことが出来ないことになっている。今後、さらに働き手が不足してきた場合に、基準を変えて対応できるようにすることがあるのか、お聞きしたい。
■介護保険制度の人員基準は簡単に変えられるものではないので、国としては規定を変えずに人材を確保できるような方向で動いていて、そのような声が多くなれば次の改定にむけて検討されることはあり得るが、現状では難しい状況だと考えられる。
《デイサービスくぬぎ》
●先程からコードの話が有り、台帳のみなし更新期限の2018年の3月31日で過ぎているが、もう行った以外の手続きを行わないでよいかお聞ききしたい。
■確認して、明日ご連絡させて頂きます。
《ケアサポートツマダ》
●総合支援事業の前回の改定では要支援の方の報酬が下がるという方針が示され、現在延期にはなっているが、いくつかの事業所から支援の方は受けいれられないという話が出ていた。今後、実施となった際にあらかじめ報酬がどれくらい下がるのかわからないと、受け入れできるかどうかの判断ができない。急に受け入れ出来なくなった場合に要支援の利用者さんが困ってしまう状況が考えられる。しっかりした見通しと情報を早く示して頂きたい。
■サービスを行う事業所が無くなるのが一番懸念されることなので、その点を配慮して出来るだけ早く情報を提供させて頂きたいと考えている。
《コミュニティーハウスあゆらす》
●利用者さんで利用料の未納の方がいて、なかなかお金を払っていただけず困っています。このような場合には厚木市の方で何か言っていただくことは出来ないか。
■以前から多く聞かれるケースではあるが、利用者さんと事業所の間での契約ということになっているため、厚木市から何か申し上げることは出来ない。なにかトラブルがあった際の契約終了については契約書の中に記載しておくように指導している。利用者さんのご家族からの相談もお聞きするが、どちらの味方にもなれないというのが我々の立場なので、ご理解いただきたい。
●契約書に記載した通りにサービスを終了する場合にも、代わりとなる事業所を紹介することが義務になっているため、利用料を払っていただけなくなってもサービスを続けざるおえない状況がある。
■サービス提供が困難な場合は、他の事業所を紹介することが指定基準に定められているため、事業所として対応していただきたい。 《グループホームあつぎみなみ》
●認知症の方の徘徊に関しては、ご家族の方の負担が大きくなり、グループホームの利用を選択される方も多い。自宅でご家族がみられている方の場合に、位置情報の端末を持たずに外出してしまうととても不安になる。その対策として昨年、認知症の「見守りステッカー」をつくられたが、現状での配布部数とそれによって保護された件数についてお聞きしたい。
■正確ではないが150人前後に配布している。実際にこのステッカーで保護されたケースは、私が知る限り1件だけだと思います。
●以前、夜勤をしていた時に認知症の方が家に帰れなくなったと訪ねて来られた方がいて、施設で保護して警察に連絡したことが有った。地域で支えるという観点から、認知症の方がつけるステッカー以外に、こどもの「駆け込みポイント」のような認知症の方を保護するためのステッカーや貼り紙があれば施設に貼って協力したい。認知症の施設は閉鎖的と思われがちなので、かけこみポイントの表示することで、外出時に困った方などが入りやすくなればと思うので、市の方で作っていただけるかをご検討ください。
■たいへん建設的な意見をありがとうございます。現在、認知症サポーター講座などを多く開催して、サポーターの増加に向けて活動しています。頂いたご意見も参考にして認知症対策を進めていきたいので、引き続きお願いいたします。
《カルチャーデイサザンクラブ厚木北》
●総合事業への移行について3年間の猶予を頂いているが、この連絡協議会に参加していることで比較的早く情報が得られているとは思うが、さらに早く情報をいただきたいとお願いしたい。地域密着のため定員が少なく、現在の定員で半数を総合事業の利用者から受け入れると、赤字になり運営が成り立たなくなる。国の施設から在宅へという方針に反して利用者さん自身は施設を望まれていると感じている。ぎりぎりになって改定の内容がわかっても対応が難しいので、3年を待たずになるべく早く情報をいただきたい。
■みなさんから頂いたご意見を受けて、出来るだけ早く対応したいと考えております。
《介護支援センターなごみ》
●3点についてお願いいたします。 ①ケアマネジャーの集団指導を行ってください。 ②総合事業の要支援者については平成31年3月には方向性を報告していただきたい。 ③厚木市が主導して事業所の総量規制を行うべき(現在は多すぎるので健全な事業を運営できるように)。
■①先日、神奈川県で集団指導という形で行った際の資料には、必要ない部分も有るようなので、市として資料を整理してなるべく早くご案内したいと考えている。 ②平成31年3月という期限については難しいと思うが、方向性が出来次第報告させて頂き、ご意見を伺いたいと考えている。 ③総量規制は難しい部分があります。市としてできる範囲でご提案させていただきたい。
●②については事業の経営に関わる問題だが、報酬が安くなったからといって簡単に明日から辞めますという訳にはいかないので、平成31年3月には方向性を出してください。お願いします。 ————————————————————————————————————
第2部 【自由意見交換】
(事業所の発言・・・・・● 厚木市の答え・・・・・■)
《デイサービスなごみ白山》
●1ヶ月ほど前に厚木市から「介護職員が充足しているか」というアンケートが有りましたが、現状ではケアマネジャーの受け手や看護師も足りていないということがあります。事業運営するのに切迫した問題として人材不足があります。先日のアンケートの結果を行政としてどのように活用していくのかお聞きしたい。
■まだ全ての集計は出来ていないが、一部の数字だけ報告させていただきます。通所事業所に限って言えば、126事業所の内、81事業所(64.3%)から回答があり、のべ人数は常勤で352名、非常勤で601名、その他派遣等6名、総数で959名でした。全体の76%の事業所で人材不足を感じている。あとどれくらい人材が必要かという問には62の事業所全体で113人が不足しているということで、1事業所につき1.8人が不足しているということでした。個人の感想ですが、私はもっと不足しているのではないかと思っている。今年度、就職相談会を行うが、来年度行うのであれば、会場や実施方法についてもみなさんのご意見を頂きながら協力していきたいと考えている。
《デイサービス モック》
●ケアマネジャーの仕事の範囲について、病院に付き添ったり負担が大きくなっている。現状では個人の裁量で行っている部分が大きいが、ケアマネジャーの仕事の範囲をガイドラインで規定していただいた方が現場では判断しやすいと考えている。実際に効力を発揮するというより、ある程度の方向性を示せる程度でもよいので、厚木市として作成することは出来ないだろうか。
■業務の範囲を決めるということは難しく、ガイドラインを作った時のメリットに対してデメリットもある。「ガイドライン以外はやらない」となった時に、ケアマネジャーさんのモチベーションが上がればよいが、逆に下がってしまうことや利用者さんからの評判が悪くなってしまうことも考えられる。ケースバイケースですが、ご家族が動けない場合とかのフォローとかについては現場の判断で対応をお願いしたい。
《ひかりデイサービス》
●独居の高齢者が利用者で増えてきている。ケアマネジャーは後見人ではないので、できることに限りがある。後見人を申請した際に決まるまでの期間は平均でどれくらいかかるのか。また、積極的に後見人を引き受けてくれる方はどれくらいいらっしゃるのか分かる範囲で教えていただきたい。
■担当ではないので詳細はお答えできないが、相談は受け付けています。基本的に第一段階で親族申し立てがあり、親族拒否の場合は全てを書面で取らなければならないため、かなりの時間がかかります。次に診断書を書いていただける医師を見つけたり、医療機関との調整にも時間がかかります。スムーズに行く方で3ヶ月という方もいますが、後見人を引き受けてくれる方を見つけて申請するまでに半年以上かかる方も多いです。それから裁判所での審査に入るので、1年まではかからないがケースバイケースでかなり時間がかかるのが正直なところです。
《ミュー》
●若年性認知症カフェを行っているので、(海老名や平塚など)他市町村の方が通ってきている中で、デイサービスを利用されたいという要望があります。地域密着型のため原則厚木市民の利用に限られるが、特殊な場合として受け入れは可能なのかお聞きしたい。また、若年性認知症について厚木市として啓発活動を行う予定があるかお聞きしたい。
■原則ではだめだが、厚木市民の方の利用に支障がない範囲であれば許可することができる。ご相談していただき、できる範囲で対応させていただきたい。
《グランレーヴ厚木》
●東日本大震災のような災害の場合、独居高齢者の多い地域の老人ホームとしてお聞きしておきたいのが、避難所では生活が難しい要介護者の受け入れを行わなければならなくなると想定しています。厚木市としてはどのようにその状況を把握していて連絡方法などの仕組みがどうなっているのか知りたい。各施設の受け入れ可能なキャパと備蓄量の把握なども心配している。
■厚木市でも福祉避難所の計画は有るが、今のご質問で事業所への情報が充分でないということがわかった。危機管理部とも相談して周知する機会を検討していきたい。備蓄については各地区に倉庫が有り、災害の状況に応じて他の地区へも運んで使えるように計画しているので、機会をみてご説明させていただきたい。
《JAあつぎ すずしろ》
●先日、ある地域で厚木市の介護保険について説明することがあり、70〜80代で集まった20名ほどの参加者の中で「地域包括支援センター」ということをご存知の方が5名だけだった。いろんなところで目にするようにはなったが、一般の方には四分の一くらいにしか伝わっていないという現状を参考にお知らせしておきます。
————————————————————————————————————
閉会のごあいさつ(立脇副会長)
本日は厚木市役所の職員の皆様には日頃のお仕事にお疲れのところ長時間にわたり、ご出席頂きありがとうございました。また、介護連協のメンバーもお仕事の後にたくさんの貴重な意見を頂きお疲れ様でした。 「人生百年時代」を迎え、高齢者社会の様々な問題を聞こえてくる昨今でありますが、本日は市役所の方に生の声を聞いて頂き、現場の苦労を感じていただけたかと思います。今後の行政やより良い介護運営に役立てていただければ幸いです。どうもありがとうございました。